CSR報告書の読書感想文:マンダム、アオイネオンに影響を受けて。
企業の最大の責任は存続することだ、と20代の頃に教わった。 企業は従業員が集合し、事業で社会に貢献している。 事業は時流に合わせて展開・撤退が可能だが、中の人間はそう簡単に入れ替えできない。なぜなら従業員同士の相互理解は長い年月で培った貴重な財産であるからだ。逆に、それがあれば如何なる手段でも社会に貢献できる。従業員同士の緊密な相互理解は企業の最大の財産とも言える。 社会課題は時流によって変化する。企業という公器が社会に果たすべきことは、常に新たな課題解決を試みる準備が出来ていること。それには存続することが企業の最大の責任と言える。 今回2つの企業のCSRレポートを読んで、社会に向き合う企業の姿勢を考えた。 静岡の中小企業のアオイネオンは、CSR特設ページでこううたっている。
社会的課題を解決することが企業の存在理由と考えている姿勢が明確にわかる説明だと感じた。同社の経営理念の第一行には「理想の社会像として「美しい都市景観の創出」を究極の目標としています」とあり、同社のCSRは、その理念と一致した活動であることを確認できた。このような企業ならば、活動によって社会的課題が解決しても、次の課題を主体的に発見し、積極的に次の活動に取り組むことだろう。 一方、マンダムはCSRレポート「考働レポート2015」のトップメッセージの中でこううたっている。
市場と社会の変化に追従する姿勢。理想の社会像に向けて社会を変革するとは思えない。チャレンジングは社内文化か?、イノベーションは社内変革か?挑む相手は変化しにくい社内システムか?社会システムではないのか? 経営理念を見てみると「基本理念は、マンダムの企業活動の原点である「生活者へのお役立ち」のあり方を使命として定めています。」とある。主体は生活者にあり、その手伝いが同社の存在価値らしい。理想の社会像は最後までわからなかった。 理想の社会像を実現するために社会に挑みつづけるアオイネオン。特定の社会的課題に取り組む非営利団体よりも社会貢献の永続性は期待できる。社会貢献型企業であり、ぜひとも存続して欲しい。 一方、環境変化に追従するために社内変革に努めるマンダムの2社は、理想の社会像がわからず存続が目的化しているようで利益追求型企業と見える。是非とも非営利活動組織と社会貢献型のアライアンスを構築して欲しい。 非常に対照的な2社のCSRレポートで、とても勉強になった。
0 コメント
あなたのコメントは承認後に投稿されます。
返信を残す |